私自身、結婚するまで親元を離れたことはなく、一人暮らしの経験はないけれど、大人になってから、大きな引越しを3回ほど、経験しています。
その中の一番思い出深い引越についてお話しますね。
結婚前、両親とともに住んでいた借家を立ち退かなくてはならなくなった時。
急に立ち退かなければいけなくなり、貯金もなかった両親は、窮地に。
一度は市営住宅への道も考えましたが、猫がいたため、それも難しかったのです。
でも、私はひるみませんでした。
今までのOL生活の貯えもあったので、いっそのこと両親に家を買うことをすすめました。
立ち退きまで、あまり時間がなかったので、すぐに物件探しが始まりました。
知り合いに不動産屋を紹介してもらいましたが、父が自分達の所持金(私の貯金は当てにせず、自分達の所持金のみ)を話し、希望を言うと、なんと一笑にふされてしまったのです。
何件か物件を紹介してもらったけれど、不動産屋との考えの相違もあり、結局決まらず。
次にたまたま入ったところは、その会社自体が物件を作っている工務店。
なんと、建売の途中までが出来上がっていて、後は希望通りに仕上げてくれるとのこと。
大工さん出身の社長は、人情に厚いのか、こんな私たちに快く物件を紹介してくれました。
物件自体、場所、広さなど、父は一目で気に入ったのでした。
話はとんとん拍子に進み、契約までこぎつけました。
頭金は、私と弟もできる範囲で手助けしました。
さて、いよいよ引越しに向けての準備が始まりました。
ありがたいことに、いらなくなった机、タンス、2段ベッドなど、借家を取り壊すことになっていたため、そのまま、その借家に置いておけばよかったのでした。
処分料もかからず、これはラッキーでした。
居間、台所、父のパソコン機器、私の身の回り品、衣類など、種類ごとにダンボールに詰め、マジックで中身について書いておきました。
無駄なお金を使わないように、トラックは父が借りてきたものと、近所の人が借りてきてくれた軽トラ2台を使いました。
後は乗用車に詰めるだけ詰め込んで。
両親の友人達総出の引越しは、お金がないながらも、搬出、搬入、炊き出しまで、みんなが一生懸命手伝ってくれて、楽しいものになりました。
母の友人のベテラン主婦たち数人も、新居まで付いてきてくれて、何から何まで手伝ってくれて、涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。
引っ越した当日は、ガスがまだ来ていなかったので、近くの温泉へ。
私たちが住む鹿児島は、銭湯のほとんどが温泉なのです。
思いがけず新築の家に住むことになったこれからの生活にワクワクしながら、引越しに疲れた体を癒しました。
猫が2匹いたのですが、1匹は私についてきてくれた入り猫、もう1匹は近所の人が飼えなくなったため、なんとなく飼うことになった猫。
入り猫の方は大人しく、心配なかったのですが、もう1匹は風来坊。
引越し当日いなくなっては大変と、前の晩から首輪につないで一緒に寝ました。
かわいそうだったけれど、遠くに引っ越さなければいけなかったので、仕方なく。
おかげさまで、新居まで一緒にたどり着くことができました。
もちろん着いたらすぐに放してあげましたよ。
今となってはいい思い出です。